グアテマラ観光案内

令和5年10月17日
1.観光スポット

(1)グアテマラ市
 (イ)国家宮殿(Palacio Nacional)TEL 2239-5000: 毎日(9:00~16:00、現在土曜日と日曜日は閉館)一般に公開されている。身分証明書の提示が必要。2階事務所で英語、西語ガイドを頼むことが出来る。

 (ロ)国立考古学民族博物館(Museo Nacional de Arqueología y Etnología)
 TEL 2475-4010 #5、Aurora, Z13
 木、金曜日9:00~16:00 /土、日曜日9:00~12:00、13:30~16:00
 空港近くにあり、考古学、人類学、民族学的に古代マヤから現代までの文化を紹介している。

 (ハ)ポポル・ブフ博物館(Museo Popol Vuh) TEL2338-7896
 月~金曜日 9:00~17:00 土曜日 9:00~13:00
 私立フランシスコ・マロキン大学構内(6Calle final Z10)にあり、当国各地のマヤ遺跡より発掘された土器、石器、副葬品が展示されている。
 (ニ)イシュチェル民族衣装博物館(Museo Ixchel) TEL2331-3739/
 月~金曜日 9:00~17:00 土曜日 9:00~13:00 
 ポポル・ブフ博物館同様私立フランシスコ・マロキン大学構内にあり、伝統的な先住民の織物を数多く展示している。

(2)アンティグア市
 首都より45Kmの距離にあり、富士山によく似たアグア火山等の山々に囲まれた植民地時代の面影を色濃く残す都市で、1979年にユネスコ世界遺産に指定された。
 「アンティグア(Antigua)」はスペイン語で「古い」という意味であり、その名が示すように1543年から1775年まで、中米・パナマを管轄する「スペイン総督府」が置かれていた古都である。1773年の大地震で大きな被害を受けた後、1775年に首都は現在のグァテマラ市に移された。市内には、教会などの植民地時代の建物が地震の被害を度々受けながらも残されている。
(首都からの行き方)
乗合シャトルバス、タクシー/Uber、ツアーを利用し行くことができる。

(3) アティトラン湖
 周囲をアティトラン火山(3,537m)、トリマン火山(3,158m)、サンペドロ火山(3,020m)等の緑の山々に囲まれたアティトラン湖は、世界一美しい火山湖として知られている。湖の北側にあるパナハッチェルの町は、ホテルやグァテマラ織りなどの民芸品店が立ち並ぶ一大観光地である。また、アティトラン湖畔には、各々異なる民族衣装や風俗を持つ先住民の村落が点在しており、ボートを借上げて訪れることができる。
(首都からの行き方)
乗合シャトルバスや(4)のチチカステナンゴ市とセットで訪れるツアーが出ている。

(4) チチカステナンゴ市
 マヤ系キチェ族の中心地として栄えたチチカステナンゴは、首都から西へ147kmの距離にある。町の中心広場に位置する1540年建立のサント・トーマス寺院の正面階段では、キチェ族の民族衣装を身に纏った祈祷師が香を焚きながら呪文を唱えている。また、同寺院は、マヤ文明の天地創造神話を記したマヤの聖典「ポポル・ブフ」が発見された場所として有名である。現存するマヤ最古の聖典であり、日本史では古事記に例えられる同書は、18世紀初頭にスペイン人神父ヒメネスが発見し、キチェ語で書かれたものをスペイン語に訳した。現在では日本語を含め各国語で訳されている。
 同寺院の周囲には民族衣装をはじめグァテマラ織りや民芸品を売る店が立ち並び、特に木曜日と日曜日に大きな市が出る。
 首都からの行き方)(3)アティトラン湖参照

(5)ティカル遺跡
 首都より空路一時間、当国北部のペテン県のフローレス空港から更に、50分程陸路を進んだ地点、ジャングルの中に忽然と現れる遺跡がマヤ文明最大の都市「ティカル」である。
 同地には紀元前数世紀から人が住み始め、紀元300年から800年代には、ペテン県一帯のマヤの各都市を従える中心として栄えた。ティカルの文化は先古典期(紀元前600年~後250年)、古典期(250年~900年)、後古典期(900年~1000年)の3期に分類され、建築、彫刻、数学、天文学の分野に優れていた。人口は少ない時でも1万人、最盛期には数万人にも達したと言われている。
 500年頃には一時、メキシコのテオティワカンの影響を強く受けるが、そのテオティワカンが衰退した8世紀、ティカルは最も輝かしい繁栄を遂げた。現存する「大ジャガー神殿」等の大神殿群も全てこの時期に建設されたと言われている。ティカルには現在判明しているだけでも約16平方キロの空間に3000にも及ぶ大小の建造物が発見されている。
 栄華を誇ったティカルも10世紀に入るや突然崩壊し、巨大な宗教都市もジャングルに埋もれてしまった。この都市が再び発見されるのは1699年、スペイン人宣教師アベンダーニョとその一行が土地の先住民イツァー族から追われて逃げた際に、密林の中の風変わりな建造物を偶然発見したことが契機と言われている。1956年には、米国ペンシルバニア大学を中心とする学術調査隊が、現在見られる5つの大神殿を始めとする建造物の発掘調査を実施した。現在も発掘作業は続いている。
 (首都からの行き方)
  日帰りツアーや1泊ツアーがある。また、アビアンカ航空、TAG航空どちらかがが往復とも一日一便は運行している。

(6)特産品
主要伝統産品であるコーヒーは、国内産地別によって微妙な味わいの差があるまた、Zacapa Centenario等のラム酒も有名である。
丹念な刺繍を施したウィピルと呼ばれる先住民の民族衣装やグァテマラ織りのテーブルクロス、小物入れなど豊富にある。翡翠や工芸品(陶芸品、木彫り細工、大衆画、皮革製品など)もある。

2.グアテマラ滞在中の留意点
(1) 気候
 低地及び海岸地域は熱帯性気候であり、中央高原地帯は温帯性気候である。1年は乾期(11月~4月)と雨期(5月~10月)に分かれており、特に12月~2月はほとんど雨が降らない。しかし、最近の世界的な異常気象の影響からか乾期と雨期の変わり目がそれほど明確でなくなってきている。
 首都グァテマラ市は海抜1,502m、年平均気温摂氏20度と快適な気候である。12月~2月は夜間冷え込むことがあるが、10度以下 になることはほとんどない。2月は季節の変わり目で、気温の変化が大きい日もある。3月~5月は一般に暑く日射しが強いが、湿度が低いため過ごしやすい。

(2) 服装
 首都グァテマラ市は年中気候が温暖な「常春の地」と言われているが、11月~2月の間は最低気温が10度近くまで下がることもあるので、日中の軽装と夕方以降の上着(カーディガン等)が必要となる時がある。

(3) 両替等
 (イ) 現地通貨はケツァル(Quetzal、簡略表示 Q)で、対米レートは、US$1=約Q7.87である(2023年9月現在)。

 (ロ) アウロラ国際空港、銀行、小額であればホテルで米ドルからの両替が可能である。日本円は扱っていない。銀行はそれぞれ営業時間に違いはあるが、月~金曜日はだいたい9時から15時(Citi Bank本店は18時まで)、土曜日は9時から13時まである。ATMは24時間利用できる。

 (ハ) 殆どのクレジットカード(VISA,MASTER,AMEX,DINER’S)が使用可能であるが、JCBの使用は限られている。]Apple Payによる支払いも可能である。

 (ニ) 米ドルは、ホテル、レストラン、土産物店など一部で使用可能であるが、お釣りは現地通貨になる場合が多い。

(4) 飲料水:市販のミネラル・ウォーターを飲むことが望ましい。

(5) 電圧:当地の電圧は120V、周波数は60Hzなので日本製品も使用できる
  が、地域、区域によってまちまちで電圧が安定していないため、日本から持参する電化製品は自動変圧器を使用した方が望ましい。一般的には当地で変圧器を購入することは難しいので、PC等の精密機器を使用される方は日本から携行する必要がある。コンセントは日本と同じ形である。ただし、機器によってコンセントの端子に若干の大きさの違い(一方が少し大きい)があるので日本から携行する延長コードが使えない場合もある。

(6)病気:低地にはマラリア、デング熱、シャーガス病等の熱帯病があるが、首都グァテマラ市には少ない。邦人が患う病気としては、腸チフス、アメーバ赤痢、肝炎、虫さされによる過度の炎症等がある。予防策は(イ)生水、生野菜等を食べないこと、(ロ)焼いたものでも冷めて出てくる食べ物は控えること、(ハ)手を良く洗うこと、(ニ)熱帯地方を旅行する場合は防虫スプレーを準備すること、(ホ)狂犬病ウィルスを持った犬や鳥などがいるので無闇に動物に触れないこと等である。                 

(7)交通手段(タクシー/Uber、バス、レンタカー)
 (イ)当地では、バスが一般市民の主要な交通手段であるが、市内外のバスでは白昼でもバス強盗が発生しており、また、混雑した車内ではスリ等の犯罪も発生しているのでバスを利用せず、タクシーやシャトルバス等を利用すること。

 (ロ)タクシー
タクシーは主なホテルの前に停車している。又はタクシー会社に電話(Amarillo Express TEL 1766若しくは2470-1515)で予約したタクシーを利用する。流しのタクシーでの犯罪が多発しているので、利用しないこと。

(8) 写真撮影
宗教施設内や祭礼の場では、当然のことながら節度を持って撮影するよう心掛けること。また、先住民の居住地域において、先住民を被写体としての写真撮影はトラブルを避けるために控えること。博物館等では撮影禁止、フラッシュの使用禁止等あるので確認が必要である。

(9) ビザ:下記の場合を除き滞在期間が3ヶ月以内であれば無査証で入国できる。
 (イ) 継続して3ヶ月を超える滞在をする場合

 (ロ) 就職する、あるいは永住する場合

 (ハ)自由業もしくは他の生業に従事する場合

 (ニ)報酬を受ける芸能やスポーツに従事する場合

(10)出国税および空港使用税は通常、航空券代金に含まれている。
 

(11)酒類の販売:飲酒には厳しい制限と罰則が設けられている。
 (イ)禁止事項
    深夜1時から朝6時まで、以下2点が禁止されている。
    ・飲食店等の商業施設(ホテル、レストラン、バー、ディスコ等)における酒類の販売及び飲酒
    ・販売店等の商業施設(スーパーマーケット、雑貨屋、コンビニエンスストア等)における酒類の販売。
 (ロ)上記禁止事項に違反した場合の罰則
    ・商業施設の経営者:営業許可取消、10万ケツァル(約1万2、700米ドル)の罰金
    ・個人(従業員、消費者):5000ケツァル(約635ドル)の罰金
 (ハ)その他、公衆の場及びその近隣では常時飲酒が禁じられており、違反すると5000ケツァル(約7万5000円)の罰金が課される。
 

3.治安、安全対策

(1)一般治安状況
1996年12月29日、政府とゲリラによる「最終和平協定」が締結され、36年間に及ぶ当国内戦に終止符が打たれた。これに伴い、97年3月から国連PKO監視の下ゲリラの武装解除が行われ、ゲリラ組織は合法政党化されたため、テロ事件は起きていない。
一般的に治安に関しては、貧富の格差、及び高い失業率等に起因する誘拐、自動車強盗及び窃盗の一般犯罪が増加し社会問題となっている。
首都及び主な観光地周辺で外国人観光客が銃などで武装した強盗団に襲われる事件が発生している。また前政権に引き続き、現政権においても重点政策の1つとして「治安の回復」をあげ、国家文民警察の改革、警察官の増員、首都等の犯罪の多い地域への重点的な警察官の配置等、各種対策に取り組んでいるが、2016年は犯罪被害による死亡者数は4,595人に上り、犯罪のうち80%が銃器による犯罪である。また首都に警察官を増員させた結果、地方での犯罪が増える等、全般として一向に回復の兆しが見られない。観光客に対する治安対策として、グアテマラ市、アンティグア市、ティカル国立公園、パナハッチェル等主要な観光地に観光警察署を配置し、観光客の警備にあたっている。

(2)安全対策
 (イ)夜間は出歩かない。日中もできるだけ複数で行動し人通りの少ない場所へは行かない。

 (ロ)バスターミナルや混雑したところには必ずスリ、引ったくりがいるので貴重品は持ち歩かない。

 (ハ)空港、レストランなどでは置き引きの被害が発生しているので荷物は手から離さない。また、路上では、背後から引ったくられないよう荷物はしっかり所持する。

 (ニ)見知らぬ人からの問いかけには完全に無視するか、徹底して「NO」と言う。

 (ホ)強盗などに遭遇したら、生命の安全を第一とし、抵抗せずゆっくりとした動作で所持金などを渡す(急な動きは武器を出すと間違われる可能性があるため)。

 (ヘ)麻薬類の所持、使用、売買は麻薬取締法により12~20年の刑に処せられる。現行犯、または逮捕状に基づいて取調べが行なわれるが、一般市民の通報などにより逮捕される場合もあるので、嫌疑を受けるような行動は慎む必要がある。