「ティカル遺跡×日本プロジェクト」メディアツアー開催

平成30年9月27日
 9月19日~20日,1979年に世界初のユネスコ世界複合遺産に登録されたティカル国立公園に対する日本の協力事業をグアテマラ・メディアに紹介し,この文化・自然遺産の保存事業や観光振興に対する日本の協力事業の内容をグアテマラ国民の皆さんに発信してもらうべく,当国メディアを対象とする取材ツアーを開催しました。マヤ文明を代表する文化遺産と生物多様性に富む自然保護地域から構成されるティカル国立公園は,年間20万人を超える観光客が訪れる一大観光地となっており,今回メディアに紹介した事業プロジェクトは,主に以下3つのプロジェクトです。
 

1 一般文化無償資金協力「ティカル国立公園文化遺産保存研究センター(CCIT)

 ティカル遺跡の適正な保存・修復および研究活動,文化遺産保護に関わる人材育成とともに,グアテマラ国民および海外からの旅行者に対する啓発・広報を行うことを目的として,2012年に日本の無償資金協力で完成した研究センターです。ツアー当日は,同センター内のホールにて,ティカル国立公園におけるすべての日本プロジェクトに尽力されている中村誠一・金沢大学教授による事業説明,ホセ・ルイス・チェア文化・スポーツ大臣による挨拶などが行われたあと,同センター内で実施されている文化的価値の高い出土品の保存・修復作業などの取材を行いました。
 
文化遺産保存研究センターの取材 センター長に対するインタビュー


2 ユネスコ文化遺産保存日本信託基金「ティカル遺跡(北アクロポリス)保存事業

 ティカル国立公園内中心部に位置する「北アクロポリス」の保存強化を目的として,グアテマラ文化・スポーツ省,金沢大学,ユネスコ・グアテマラ事務所の協力の下,実施されているプロジェクトです。視察当日はあいにくの雨でしたが,ジャングル特有の過酷な気候にも負けず,懸命に北アクロポリスの保存・修復作業を行う作業員の方々の奮闘を取材してもらうことができました。
 
北アクロポリス前でインタビューに応じる
中村金沢大学教授
北アクロポリスの保存・修復作業を行う作業員の方々


3 JICA草の根技術協力事業「ティカル国立公園への観光回廊における人材育成と組織化支援プロジェクト」

 ティカル国立公園への観光回廊で生活する地域住民の生活向上や観光振興,環境保護等を促進するため,2017年から2022年にかけて金沢大学とJICAが協力して実施しているプロジェクトです。当日,CCITにおいて行われていた本プロジェクト対象地域のひとつIxlú集落小学校の児童向け研修や,同小学校において実施されていたEl Caoba集落住民向けのガイド育成研修の様子などを取材しました。
 
Ixlú集落小学校の児童向け研修の様子 Ixlú集落住民向けのガイド育成研修の様子