アルタ・ベラパス県カンプール集落における給水システム修復プロジェクトの引渡し

令和3年5月18日
 5月7日、山元大使はアルタ・ベラパス県サン・ペドロ・カルチャ市カンプール集落において、日本政府の資金援助によりUNICEFを通じて復旧・修復された4つの給水システムの引渡し式に出席しました。このプロジェクトでは、同集落379世帯の1,778人が裨益対象者となります。
 
山元大使とカンプール集落の住民

 アルタ・ベラパス県に位置するカンプール集落は、2020年11月に発生した熱帯低気圧イータ及びイオタによる最も大きな被害を受けた地域の一つであり、実に537世帯に上る住居が2カ月以上の間水没する等、多大な影響を被りました。

 日本政府の資金援助を受け、UNICEFとNGOエルベタスの協力により、破損した給水システムの復旧プロジェクトが実現しました。イータ及びイオタにより引き起こされた大規模災害下では、給水システム、特に飲料水へのアクセスは必要不可欠なものです。
 
   
  プロジェクトによる飲料水への1日24時間のアクセスが確保された  

 本プロジェクトでは、7,572mに及ぶ水道管の復旧(管の交換と、今後被害を受けないようにコンクリートで管を囲って補強)、水道タンク及び3機の塩素消毒システムの設置、3台の給水システムの復旧、7台の貯水システムの設置と修復、水道システムの地図化などが行われました。

 熱帯低気圧による被害以前、カンプール集落の住民は一日一定時間ずつしか水が供給されず制限がありましたが、プロジェクト実施により一日24時間いつでも飲料水へアクセスできるようになりました。

<プロジェクト前>   熱帯低気圧による被害を受けたカンプール集落のインフラ
 

<プロジェクト後> 復旧した給水システムの一部
  

 山元大使は「低気圧イータとイオタの被害を受けた集落の光景を目の当たりにし、何らかの形で支援したいと考えました。グアテマラと同じく自然災害に対して脆弱である日本は、被災のつらさを知っています。このような非常事態や自然災害では、関係者みなで協力することが重要であり、特に水へのアクセスは不可欠です。」と述べました。

 今般の支援は、熱帯低気圧イータとイオタにより引き起こされた災害に対する日本国政府から中米地域への緊急援助の一部であり、グアテマラには計110万米ドルの支援が行われました。これらの資金はユニセフ、世界食糧計画(WFP)および国際赤十字赤新月社連盟(IFRC)との協力により、アルタ・ベラパス県およびイサバル県の被災家族を支援するために用いられています。
 
   
  テープカット
 
水の浄化システムの確認
 
 
   
  村民にあいさつする山元大使 保健センターへの水質検査機の供与  

 日本政府は、自然災害による被災者が、早く日常生活に戻り、また、被災地において水及び衛生環境が確保できるよう支援を継続していきます。